タウナギとは

中国の市場に行くと魚介類コーナーに「黄鱔」という名前の細長い魚がいます。

黄鱔は日本語で「タウナギ」。確かにウナギの形にそっくりのヘビ体型です。体表はヌルヌルしているところもウナギに似ています。

大きさはウナギよりも小さいものが多いですが、それは大きく育つ前に出荷するからです。実際には日本でよく見かけるウナギよりも大きくなるようです。

ウナギは海で産卵して川に戻って来る不思議な生態の魚ですが、タウナギは最初から最後まで淡水で暮す魚です。ですからウナギとは違って完全な養殖ができます。

タウナギは不思議な生き物です。

タウナギは小さいうちは全てメスなのです。中国のウェブサイト上の情報によれば体長35センチ以下のタウナギは全てメスだそうです。

ところが36センチを超えるとオスに性転換する個体が現れるのです。53センチを超えるとオスの割合のほうが多くなるそうです。

水中の酸素が少なくなると水面から鼻を突き出して空気呼吸をするという情報がありますが、タウナギを飼った経験から言うと水中の酸素濃度が十分でも鼻を突き出したまま静止している時間が長かったです。

タウナギの味

中国ではタウナギは食用魚としてかなりポピュラーな魚です。中国ではウナギよりも一般的な魚なのです。

中国には「小暑黄鱔賽人参」という言葉があります。小暑(梅雨明けのころ)のタウナギは美味で朝鮮人参に匹敵するほどの薬効があるという意味です。

つまりタウナギの旬は初夏ということになります。中国では旬に限らずタウナギは非常においしい食材ということになっています。

ところが中国在住の日本人の間ではタウナギの評判はよろしくありませんでした。

とにかく泥くさい。これは淡水魚に共通する問題点です。

この泥くささはショウガやネギで緩和できるとされていますが、それだけでは超えられない素材そのものの問題があると思います。

食べる前にキレイな水で一週間くらい飼ってタウナギそのものの泥くささを抜く必要がります。

実際に中国で淡水魚を食べても泥臭くない場合もあります。また1度だけですが、泥くさくないタウナギを食べたこともあります。

つまり泥くさいタウナギ料理はタウナギ本来の美味とは無縁のジャンクフードなのです。

ウナギ資源が枯渇すると危惧される今日この頃ですから、清流でタウナギを養殖してウナギの代用にする研究が行われても良いのではないかと思います。

タウナギの食べ方

残念ながら中国には「かば焼き」のような調理法はありません。でも、タウナギ料理のバリエーションは驚くほど豊富です。

日本人にも親近感がある味付けなら紅焼黄鱔、紅焼鱔段が定番です。

このふたつは砂糖と醤油の味付けで炒めるのと煮るのの中間的な方法で火を通した料理です。身の切り方が多少違うだけでほとんど同じ味です。

炒め物のバリエーションは無数にあります。一緒に炒める食材の数だけバリエーションが増えるからです。黄ニラ、玉ネギ、ピーマン、ナスなどとの相性がよいようです。

さらに煮物、蒸し物、スープ、混ぜご飯、粥の具材、ラーメンのトッピングなど、タウナギの用途は非常に広いのです。

タウナギの薬膳的性質

タウナギは『本草綱目』にも載っています。

タウナギの肉のサーマルタイプは温性で捕中益血の効能があります。つまり気血を充実させる働きがあるわけです。

具体的には疲労回復や虚弱体質改善に効果があります。この効果は民間でもよく知られていて、「タウナギを食べると精がつく」という中国人は少なくありません。

タウナギは昔から中国人の生活に深く溶け込んでいたようです。そういう食材は詳細に研究されているので各部位ごとに薬効が記録されています。

タウナギの骨は足の潰瘍の治療に用いられていたようです。

タウナギの頭を焼いて灰にしたものは乳房のしこりが痛む場合の治療に用いられていました。

さらにタウナギの血は外耳道の炎症の治療に用いられていたようです。 現代の科学的分析によるとタウナギの血液には有毒成分が含まれています。この有毒成分が逆に薬として利用できるかどうか研究されているようです。

現在の中国は病気の治療にタウナギを用いることはありませんが、養殖が盛んになった影響もあってか、食材としては旺盛に消費されています。薬ではなく薬膳食材。それがタウナギの役割でしょう。

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