あんず

あんずの薬膳的な性質

薬膳的説明

潤肺止咳:肺を潤し咳を止めます。
生津止渇:渇きを癒します。

あんずについて

中国伝統医学(中医)にはいくつかの代名詞があります。例えば「岐黄」という二文字があります。中国では「岐黄の術」と言えば医術を意味しますし「岐黄家」と言えば医者を意味します。もちろん「岐黄書」は医学書という意味です。

岐黄は中国医学の古典『黄帝内経』の中で対話する岐伯と黄帝の名前から来ています。

「杏林」も医学の代名詞です。杏林は3世紀に活躍した名医である董奉(とうほう)にまつわるエピソードに由来があります。

董奉は貧しい人からは診療代を受け取らなかったそうです。その代わりに重病が治った場合には5本、軽い病気が治った場合は3本の杏の苗を自宅の周囲に植えるように言っていたそうです。数年後には董奉の家の周囲には杏の林ができていました。

このエピソードから医学の代名詞として「杏林」が定着したわけです。中国では今でも「杏林春満」や「杏林春暖」は医者の徳を讃える言葉です。

◆杏仁

杏のタネは今でもよく使われる漢方薬の杏仁(きょうにん)ですから、董奉は薬の原料を確保する目的もあって杏を植えるように言ったのでしょう。

ちなみに杏仁は薬として優れていますが代表的な有毒薬でもありますから自作は控えたほうがよいでしょう。

また杏仁豆腐を作る時の杏仁と漢方薬の杏仁は違います。前者は甜杏仁と言い、後者は苦杏仁と言います。ですから漢方薬を使って杏仁豆腐を作ろうとすると悲劇しか起こりません。

中国語ができる人は甜杏仁をアーモンドだと思っているかもしれません。中国人ですらこのように考えている人もいます。

確かにアーモンドと杏は近縁の植物なのですが、アーモンドと甜杏仁は別物です。アーモンド業者がアーモンドを「大杏仁」と訳したせいで混同されてしまったのが真相です。

残念ながらアーモンドを使って杏仁豆腐をつくることもできないのです。

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同じサーマルタイプの食材

サーマルタイプ:HOT 温性

マトン

マトン

温中健脾:脾の機能を活性化します。 補腎壮陽:腎陽を補います。 益気養血:気と血の生成を促進します。 感染症に罹患しているとき、熱証のときは控えたほうがよい食材です。

くり

くり

養胃健脾:脾、胃の機能を高めます。 補腎強筋:腎機能を高めます。 活血止血:血の巡りを改善し、血の滞りによる出血を止めます。

もも

もも

生津潤腸:潤いを与えて燥性の腸のトラブルを改善します。 活血消積:血の巡りを改善します。

サンショ

サンショ

温中散寒:中焦を温める作用があります。 除湿止痛:病理物質「湿」を除去し、湿による滞りを解消して痛みを改善します。 日本でも使用頻度が高い漢方薬「大建中湯」の君薬はサンショです。 大建中湯は日本の臨床現場では手術後のケアに用いるというイメージの漢方薬ですが、漢方理論的に言えば「寒痛」の治療薬です。大建中湯の漢方的な効能は散寒止痛です。サンショ単独でもこの功能があります。

なつめ

なつめ

補中益気:気を補う作用があります。 養血安神:血を補い精神を落ち着かせる作用があります。

コショウ

コショウ

温中下気:中焦(脾、胃など)を温め、気の過剰な上昇傾向を抑制します。 消痰解毒:病理物質「痰」をデトックスする作用があります。

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