エビフライはどうして「夜の薬膳」なのか?

エビフライはどうして「夜の薬膳」なのか?

全ての食べ物は薬膳になる。それが薬膳の真実です。

でもそれだけでは「どういうこと?」と思われるだけ。そこで人気料理「エビフライ」がどのような薬膳になるかご説明しましょう。

薬膳としてのエビフライはとても貴重な「夜の」料理なのです!

知られざるエビの薬膳的功能

エビのサーマルタイプは温性です。つまりエビはからだを温めてくれる食材です。

温性の食材はたくさんありますから、これだけでは貴重でも何でもありません。重要なのは功能です。

エビには補腎壮陽という効能があります。

つまり「腎の機能を高め陽を補う」作用があるわけです。なぜこれが貴重なのか?

実際に薬膳ケアをしたいという人の中には「冷え性」を改善したいという人が少なくありません。

「冷え性」にはいくつかのタイプがありますが、かなり多くの人が「陽虚」というタイプです。詳しくは「冷え性の薬膳ケア」の記事(難易度高め)をご覧ください。

陽虚の人には補陽薬膳が一番適しています。陽が足りないので陽を補うのが最も効果的だからです。

ところが陽を補う食材は種類が限られているだけではなくクセがあるものばかりなのです。例えばニラとかマトンとか。

つまり陽を補う作用があるだけでも貴重な食材と言えるわけです。しかもエビには際立ったクセがありません。そういう意味でも貴重なのがエビという食材なのです。

「冷え性の薬膳ケア」のページの画像がどうしてエビなのかおわかりいただけたと思います。

補腎

「陽を補う」作用についてはザックリ言って「冷え性」などを改善する功能だと理解すればよいとして「補腎」のほうはどうなのでしょうか?

これこそがこの記事のメインテーマです。

補腎は「腎」の機能を高めるという意味です。ここで「なるほど」と思う日本人は全人口の0.1%もいないでしょう。「腎」の機能を高めるってどういうこと? と思うのがふつうです。

そこでまず「腎」についてです。

薬膳理論の「腎」は私たちが知っている「腎臓」とは全く別モノです。薬膳理論の「腎」は特定の臓器というよりも体に具わったいくつもの機能を総合した特別な医学用語なのです。

ですから「腎」には具体的にどのような機能があると考えられているかを理解しなければ薬膳理論はわからないのです。

メンドクサイですよね。このメンドクサイところが薬膳が普及しない理由です。

あんまりムキになって勉強すると疲れますから、わかる範囲でゆるーくやってください。全部理解しようなんて考えていると薬膳のプラスよりストレスのマイナスのほうが大きくなりますよ。

さて「腎」の機能ですが、けっこうたくさんあります。その一部を紹介しましょう。

腎には成長、発育、生殖を促進する機能があります。ですから幼年期・青年期での「補腎」には成長促進という意味があります。

産後の女性にとって「補腎」は子育て機能を促進する作用があります。実際にエビには「通乳」という効能があります。母乳の出を良くするという意味です。

では若い夫婦にとっての「補腎」はどういう意味を持つのでしょうか?

それはもちろん「子作り機能」を促進する作用です。

漢方による不妊治療の基本的な考え方は「補腎」ですし生殖機能のトラブル改善も「補腎」です。

このように「補腎」は次世代を生み出す行動を促進する作用でもあるのです。

だからエビフライは「夜の薬膳」なのです。

調理の仕方と功能への影響

エビには補腎作用があるのだからエビフライでなくても良いのではないか?

例えば寿司のネタにしてもいいし、茹でたり焼いたりしても同じでしょう?

実はその通りです。エビを使えばフライにしなくても「補腎壮陽」の薬膳になります。

ただし若干の違いがあります。油で揚げると料理全体のサーマルタイプは温性に傾きます。これは油で揚げることにより「陽」のエネルギーが料理にチャージされるからです。

つまり細かいことを言えばエビフライにすると補陽の作用がさらに強まるわけです。

養生の観点から言うと人の体は夜間は陰が支配的になり休息します。ですから夜食には陽の強い食べ物は避けるべきだとされています。陽を補うなら朝食がよいのです。

でも夜すぐに寝てしまうと都合が悪い場合には陽が漲る補陽薬膳を食べるという荒業を使うわけです。

「朝は軽く夜はガッツリ」は薬膳的にはイレギュラーな食べ方です。特別な目的がない限り「夜は軽く朝しっかり」をおすすめします。

最後に注意点ですがエビは温性が強いのでサーマルコンディションが「熱」の人は控えたほうがよいとされています。

アレルギー体質の人のサーマルコンディションは多くの場合「熱」です。

エビアレルギーを避ける意味でも薬膳の教えは守ったほうがよさそうです。

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