桂林米粉と桂林の名物食品

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桂林の名物料理と名物食材

中国で桂林の食べ物と言えば桂林米粉が一番有名なのですが、桂林には桂林米粉の他にもたくさんの名物料理があります。

温暖な気候に恵まれた土地だけに農作物は豊富。さらに河の幸も食卓に上ります。

しかも少数民族の食文化が多様性を広げている。

桂林は自然景観だけではなく食を楽しむにもオモシロい土地なのです。

啤酒魚

桂林の中に陽朔という土地があります。ここの名物が啤酒魚。そのまま訳せば「ビール魚」。

これは漓江でとれる大きなを使った料理です。

ちなみに漓江は桂林観光のパンフなどでよく見かける川です。漓江を舟で下りながら両岸の奇景を楽しむのが桂林観光の目玉です。

まず鯉を「開き」にするように切って内臓を取り除きます。ウロコは取りません。この状態の鯉を油で揚げます。そうするとウロコに火が通り黄金色になって反り返ります。

ウロコを食べても大丈夫な状態になったら鍋に移してピールを注ぎ醤油などの調味料を加えます。水の代わりにビールを使って煮るから「ビール魚」なのです。

仕上げにトマトと青トウガラシを加えて3分ほど煮れば完成です。ビールによって川魚にありがちの臭みが消えると言われています。

ちなみにこの料理には薬膳的な効能があるとされています。

効能は滋補健胃、利水消腫、通乳、清热解毒、止嗽下気。多いですね。

そもそも鯉には母乳の出を良くする作用(通乳)があるとされていて、日本でも鯉を食べる習慣がある地域の人には知られています。

日本でも作ろうと思えば作ることができる料理ですね。

白果炖老鸭

白果炖老鸭は鴨とギンナンのスープです。透き通ったスープの中に大粒の真珠のようなギンナンが散らばる上品な料理です。

桂林の霊川という土地ではギンナンが取れます。この特産品を利用した名物料理なのです。

白果炖老鸭も薬膳的な料理です。功能は滋補生津、潤肺益気。乾燥で肺やノドを傷めたようなときに適した料理です。また体力回復の効果もあります。

そもそも薬膳や漢方の世界ではは薬そのものと言っても過言ではありません。

『名医別録』には鴨の肉は「妙薬」と書かれています。

鴨の肉は補陰の食材なので、陰虚火旺による虚弱に効果があります。陽虚の人には体力回復効果は期待できません。

桂林は温暖な土地なので陽虚よりも陰虚になりやすい。補陰薬膳が桂林名物なのは薬膳理論的には必然性があります。

荔浦扣肉

桂林の荔浦という土地では日本のサトイモを巨大化したようなイモが取れます。このイモと豚肉を板状に切って交互に重ねた料理が荔浦扣肉です。

料理を見ただけではどのように作るのかわからないでしょう。実はけっこう手間がかかります。

イモは板状に切ってから油で揚げて火を通します。豚肉は酒や香辛料を加えた汁で茹でてから板状に切ります。

イモも豚肉も十分に火を通した状態になったものを交互に重ねて蒸し器で加熱するとできあがりです。

この料理は大変においしいので桂林以外の土地でも人気メニューです。私は上海で食べたことがあります。

でもやっぱり「桂林で食べたことがある」と言えば孫子の代まで自慢可能ですから旅行の際にはぜひ味わってみてください。

尼姑素面

尼姑素面は桂林米粉と並んで有名な桂林のヌードルです。

今では桂林の観光スポットになっている月牙山にその昔尼さんが住んでいて、その人が発明した精進料理だと伝えられています。

麺の上に載っている具材はモヤシやキノコやユバなど肉っ気がないのですが、尼姑素面の心臓部はスープにあるので見た目の質素さでバカにしてはいけません。

まず何より上品。湯色金黄、清口不濁ですって。味は鮮美甜爽だそうです。ちなみに野菜のダシから作られるので桂林米粉とは全く違う味です。

尼姑素面の名の由来には伝説があります。

明を建国した朱元璋がまだ元軍と戦っていた時のこと。月牙山の尼さんが元の兵士に追われていた朱元璋をかくまい麺をふるまったことがありました。

後に皇帝に即位した朱元璋は月牙山の尼さんがどうなったか調べさせました。庵を訪ねた使者は1年前に尼さんは亡くなったと告げられます。

これを聞いた朱元璋は自ら筆をとり「尼姑面」と揮毫して庵に送ったとのこと。

尼さんの得意だった麺料理は「皇帝の真筆だって? どんな麺よ?」ということで一躍有名になったそうです。

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