日本ではなぜかレアな食材”墨魚蛋(イカの卵)”

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イカの卵はポピュラーな珍味

日本ではイカの卵は一般的な食材ではないと思いますが中国ではかなりポピュラーな食材です。

イカの卵とはどのような食材なのか?

薬膳的な効能はどうなのか?

食べ方や調理法も気になりますよね。食材への好奇心は薬膳上達への近道です。

今回は知られざる食材・イカの卵をご紹介しましょう。

イカの卵とは?

メスのイカの体内には卵が入った白い袋状の内臓が一対あります。この食品を中国では
「墨魚蛋」とか「烏賊卵」などと言います。

墨魚蛋を取り出して塩漬けにしたものが中国社会に流通しているのです。

現在では冷凍品もあります。また塩漬けにした後に干した「ひもの」のような製品もあります。

けっこう高価なので高級食材のひとつと言ってよいでしょう。

大きさはニワトリの卵くらいのものからウズラの卵くらいのものまで幅があります。

日本ではほとんど知られていない食材ですが、中国では宮廷料理の食材として利用さてれいた歴史もあります。清朝の後期には宮廷への献上品にもリストアップされていたそうです。

その味と食感は非常に優れているので墨魚蛋は「海鮮八珍」のひとつに数えられる珍味なのです。

墨魚蛋は世界史の教科書のなかにも出てくる「寧波の乱」で有名な寧波の特産品でもあります。

食べ方

墨魚蛋を買い求めた場合は3時間くらい水に漬けて塩抜きをします。

塩抜きをした墨魚蛋の皮を取り去り酒とショウガを加えて蒸して食します。これが「葱姜墨魚蛋」というスタンダードな料理です。

このほかにも炒め物や煮物の具材として使うこともできます。砂糖醤油で味付けをした「紅焼墨魚蛋」は定番の煮物です。

また、ニワトリのたまごと一緒に蒸して作る「鶏蛋蒸墨魚蛋」は有名なイカのたまご料理のひとつです。

さらに墨魚蛋の産地ではフレッシュな墨魚蛋を練り物にして食べることもあります。

生の墨魚蛋を練ってそのまま中華鍋に押し付けるようにして焼くと、かまぼこのような仕上がりの料理になります。

このような料理は新鮮なイカが手に入る港町ならではの一品です。

ちなみに日本ではイカの肝臓から「イカのしおから」を作りますがイカの肝臓は中国では一般的な食材ではありません。

またイタリアではイカ墨を料理に使うことがありますがイカ墨も中国では一般的な食材ではありません。

イカの内臓を食べるにしても国によって食べる部位が違うのは不思議なことです。

薬膳的功能は?

墨魚蛋のサーマルタイプは平性です。

功能は健脾利水です。

利水作用があるので「むくみ」を改善する食材とされています。

墨魚蛋は漢方薬の一種でもあります。

墨魚蛋による治療には10日から30日かかるとされていて、毎日10から30グラムを煮て食べることになっています。

この方法は本に載ってはいますが実際に見たことはありません。

イカの産地の民間療法として残っているかもしれませんが、さすがの中国でもイカの卵料理を治療薬として処方することはないようです。

最後にお願いです。

「うちの地元ではイカの卵を食べるよ」という情報があればぜひご連絡下さい。

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