サンショ

サンショの薬膳的な性質

薬膳的説明

温中散寒:中焦を温める作用があります。

除湿止痛:病理物質「湿」を除去し、湿による滞りを解消して痛みを改善します。

日本でも使用頻度が高い漢方薬「大建中湯」の君薬はサンショです。

大建中湯は日本の臨床現場では手術後のケアに用いるというイメージの漢方薬ですが、漢方理論的に言えば「寒痛」の治療薬です。大建中湯の漢方的な効能は散寒止痛です。サンショ単独でもこの功能があります。

サンショについて

中国ではサンショに相当するスパイスは花椒と言います。漢方の専門書には蜀椒と書かれることもあります。

蜀は四川省を表す言葉です。四川の花椒は漢方薬としての効能が優れているので蜀椒が花椒の代名詞になっているのです。

花椒は薬としてもスパイスとしても香料としても使われてきました。花椒の用途として最も重要なのはスパイスとしての役割でしょう。

花椒は良い香りと独特の刺激を加えるだけではなく食材の生臭さを消す働きもあります。中国では紀元前から重宝されて来た伝統的なスパイスのひとつなのです。

◆サンショのお酒・花椒酒

中国には花椒酒というお酒があります。これはアルコール度数が高い蒸留酒にサンショを漬けて作るお酒です。

現代中国の花椒酒はドリンクとしてのお酒ではなく外用薬です。虫歯が痛むときの痛み止めなどに用いられます。

同じ名前のお酒が漢代にもあったと言われています。

漢代にはまだ蒸留酒がありませんでした。当時はお酒を醸造するときにサンショを混ぜて作っていたのではないかと言われていいます。

外用薬としてではなく嗜好品として飲まれていた可能性もあります。

◆サンショの文化的な意味

漢代の後宮には「椒房」という部屋があったそうです。「皇后は壁に花椒を塗らせ、椒房と呼び、そこで暖をとった」と記録されています。

いくら花椒が温性でも壁に塗って部屋が温まるはずはないので、子宝に恵まれるための縁起担ぎだろうという解釈もあります。

花椒の実はたくさんできる(花椒多子)ので子孫繁栄の象徴だからです。

また昔の中国では山椒はプロポーズのアイテムでもあったようです。

中国最古の詩集である『詩経』には舞台で踊る男性に娘さんが山椒の枝を贈るシーンがあります。古代中国では女性から男性へのプロポーズもあったわけですね。

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