宮廷食材「キヌガサタケ」

角栄もニクソンも食べた宮廷食材

中国は広いので気候や自然環境の変化に富んでいます。その影響で中国で流通している食用キノコのバリエーションはかなり豊富です。

その中で特に美味とされているのがキノコ「四珍」。その筆頭とされるのがキヌガサタケです。

キヌガサタケは清代の宮廷料理満漢全席の中の「4八珍」のひとつでもあります。

もっとも古い八珍(周八珍)については別の記事で紹介しました。その後も八珍を揃える作法は中国歴代宮廷料理に引き継がれました。

八珍の内容は時代ごとに異なります。

清の時代には八珍だけでは足りず山八珍、海八珍、禽八珍、草八珍の4セットに増えていました。

それが「4八珍」です。

キヌガサタケは草八珍のひとつに数えられていました。

キヌガサタケ

キヌガサタケは中国語で竹荪、竹笙、竹参などと表記します。竹という字が使われることからもわかるように竹藪に生えているキノコです。

実はキヌガサタケの中にもいくつもの種類があり全てが食用になるわけではないようです。中国では4種類が食用になっています。

キヌガサタケの特徴はレース状のスカートのような傘です。中国語では「網状菌幕」と言います。

日本にも自生しているようですが絶滅危惧種扱いを受けている希少なキノコらしいですね。

中国では極寒の黒竜江省から温暖な広東省まで広く分布していますが高温多湿の地域に多いようです。

清代の記録によると四川省の産物というイメージがあったようです。

ニクソンも角栄も絶賛

キヌガサタケを使った料理としては湖南料理の「芙蓉竹荪」がいちばん有名です。

これは鶏肉をたたいて「肉泥」にしたものを蒸したものとキヌガサタケを濃厚なチキンスープで蒸し煮した料理です。

湖南料理と言えば激辛ですがこの料理にはトウガラシは使いません。

「芙蓉竹荪」はニクソン大統領にも田中角栄首相にもふるまわれた料理です。中国では「ニクソンも角栄も絶賛した料理」ということになっています。

このように国賓を「おもてなし」する料理を「国宴菜」といいます。国宴菜は中華料理の最高峰を意味します。

国宴菜は野菜料理ひとつとっても「開水白菜」のように一般家庭ではもちろん、かなりのレベルのレストランでも作るのは大変という料理です。

そんな中で「芙蓉竹荪」は「家庭でもできる国宴菜」の異名があります。材料さえ揃えば家庭でも作ることができるからです。

キヌガサタケの栽培

キヌガサタケは日本では絶滅危惧種扱いされている希少なキノコです。

中国でも非常に希少性のある高価なキノコでした。

しかし今ではキヌガサタケの人工栽培法が編み出されています。

もともとは竹で育つキノコなのですがおがくずでも育てることができるようになり大量生産が始まっています。

以前は木片を地面に並べてから菌をつけて軽く土で覆う方法が一般的でしたが、この方法には連作障害が起きることがわかり、現在ではおがくずを使い工場のような施設内で栽培する方法に移行しています。

さらに大量生産されれば日本でも一般的な食材になるかもしれません。

乾燥品をそのまま水に戻すと独特な「奇味」が出るので先頭部分を切り取り薄い塩水で戻すのがコツです。

キヌガサタケの薬膳的功能

キヌガサタケのサーマルタイプは涼性。

キヌガサタケの功能は補気養陰、潤肺止咳、清熱利湿です。

特に熱性の肺のトラブルに効果があるとされています。

体を冷ますのでサーマルコンディションが虚寒(脾胃虚寒証)の人には適していません。

虚寒かどうかはこのウェブサイト内のサーマコンディション分析で判定できます。

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