ギンナンの薬膳的な効能

イチョウは薬の木

ギンナンはイチョウのタネです。それだけでもギンナンには何かしらの薬効がある気がしてきます。

そもそもイチョウの葉は薬として使われているからです。

漢方的には血のめぐりを改善する活血薬です。ヨーロッパでも認知機能を改善する薬として使われています。

そんなイチョウのタネに薬効がなわけがないのです。

漢方の世界ではギンナンは「白果」と呼ばれる薬なのです。

ギンナンと毒性

中国の本草書を手に取り「白果」のページを開くと、まず目に飛び込んでくるのは「有毒」の2文字です。

ギンナンに毒があることは多くの人がご存知でしょう。ギンナンの食べ過ぎで体調が悪くなる原因は現在では科学的に解明されています。

中国医学の世界では炒めて熱を通すことによりギンナンの毒性は低下すると考えられてきました。

このように原料を加工してもともとの性質を変える加工を「炮制」と言います。「炮制」はそれ自体が独立の学問と言われるくらい奥が深い世界です。

漢方薬は単に植物を乾燥させたものではなくて、非常に複雑な加工の末に作られることもあるのです。

幸いなことにギンナンの場合は炒めるだけですから簡単です。ギンナンはマナで食べてはいけません。必ず火を通しましょう。

ただし熱を加えても毒性が完全に消えるわけではありません。ですから食べ過ぎは禁物です。

中国医学の世界では1日の適量は5から10グラムと言われていますから、本当に少しだけ食べるべきものなのです。特にお子さんはご注意を。

ギンナンの薬膳的な功能

ギンナンのサーマルタイプは平性です。ちなみにイチョウの葉のサーマルタイプも平性です。同じ植物でも部位によってサーマルタイプが変わることもありますが、イチョウの場合は同じだというわけです。

ギンナンの功能は潤肺定喘、渋精止帯です。

ギンナンには収斂作用があるので「出るべきではないモノが出る」症状を緩和する作用があるのです。

具体的には頻尿や痰が多いとき、女性の「おりもの」が多いときに適しています。

ギンナンのサーマルタイプは平性なのでサーマルコンディションに関係なく使える食材ですが、あらゆる実証には適していない食材です。

実熱、実寒はもちろんですが気・血・津液の「めぐり」が停滞している場合や外邪が侵入してきたときも控えたほうがよいのです。

難しく考えずに「体調が悪いときは食べない」とおぼえておきましょう。

ギンナンの食べ方

ギンナンは漢方薬としてよりも治療目的の薬膳に使われることが多い食材です。

ギンナンを使った薬膳料理はたくさんあります。

その中でも実際に作りやすいものを紹介しましょう。

白果蒸鶏蛋

卵1個とギンナン2粒から作るシンプルな料理です。

ナマ卵の一端のカラを割って穴を空け、そこに殻をむいたギンナンを2個入れます。

そうして準備した卵を蒸して固めればできあがりです。

1日に1個食べることで咳、おりものを止める作用があります。

ブタの胃とギンナンの煮物

ブタの胃袋にギンナンを10から30グラム入れて煮込みます。

味付けに特に指定はないので、みそ味でもしょうゆ味でもよいと思います。

この料理を3日に分けて食べるのを1治療期間とします。

この薬膳は「おねしょ」の治療に使われます。お子さんだけではなく成人にも効果があるとされています。

煮込んでもギンナンの毒は完全には消えないので1日で食べ切ってはいけません。

白果功肉粥

粥という字を見て簡単だと思ったら大間違い。この料理はちょっと複雑です。

材料はギンナン6グラム、ハスの実15グラム、米50グラム、烏骨鶏1羽(内臓を抜いたもの)です。

ギンナンとハスの実はすりつぶしておきます。それを内臓を抜いた烏骨鶏の腹の中に入れ、その後で米を詰めます。

そのようにして下準備したものを弱火でじっくり煮ます。烏骨鶏からうま味が出るので非常においしい料理です。

1日に2回に分けて食べます。

この料理の功能は補腎なのですが具体的には女性の「おりもの」を止めるための薬膳です。

タイトルとURLをコピーしました