気になるうなぎの薬膳的功能

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平賀源内

土用の丑の日にうなぎを食べるべしと言ったのは平賀源内だそうです。うなぎのマーケティング戦略として編み出されたキャッチフレーズらしいですね。

この話は今では有名になっているので、うなぎに「精を付ける」とか「夏バテ防止」の効果が本当にあるのか疑問を持っている人もいるでしょう。

そこで薬膳的にはどうなのかご紹介しましょう。

気になるうなぎの薬膳的功能は?

まず、うなぎのサーマルタイプは平です。つまり偏りがないのでいくらうなぎを食べても寒熱のバランスを乱す心配はありません。

うなぎの薬膳的功能は文献により多少の表現の違いがあります。ただし内容はほとんど同じ。

おおむね気血を補い湿をデトックスする作用があるということで一致しています。

では「気血を補う」とは何を意味するのでしょうか?

まず気についてです。

気は生命活動を成り立たせるエネルギーです。体を動かしたり内臓が働くには気が必要です。

ですから気が不足すると生命活動全般が「しぼんで」しまいます。

逆に気が充実すると心も体も活性化します。

次に血についてです。

薬膳用語の「血」は血液とは違います。ただし似ている部分もかなりあります。

血の働きは栄養を運ぶ作用です。この点は血液の働きと似ています。

血液と違う点もたくさんあります。薬膳の考え方によると血は増えたり減ったりします。

血が減るというのは「からだ全体に栄養を与える作用が低下する」という意味です。ですから血が減ると肌はカサカサ、記憶力は低下、そのほかもろもろの問題が出てきます。

逆に血が充実すると体全体のコンディションが若々しく保たれます。

つまり「気血を補う」ことによって心も体も活性化し若々しくなれるのです。

中国の文献によるとうなぎは疲労回復に効果があるとされています。

これは「気血を補う」作用の結果です。

薬膳理論によると平賀源内の話にはそれなりに根拠があるわけです。

脂と肥満の関係は?

うなぎは脂たっぷりの食材です。「食べると太るのでは?」と気になる人もいるでしょう。

この疑問との関係でうなぎの「湿をデトックスする」作用が重要な意味を持ちます。

薬膳理論によると肥満は「湿」が溜まった状態です。

「湿」は本来は体にとって有用な成分である津液が「からだによって余計なモノ」に変化してできた成分です。

「湿」は単に余計なモノというだけではなくて脾の働きを邪魔したり気や血の巡りを妨げたりするので百害あって一利なしの存在です。

漢方の世界では「万病のモト」とまで呼ばれる悪玉なのです。

メタボは万病のモトと言うのと同じような意味ですね。

うなぎには「湿」をデトックスする作用があるのでうなぎを食べると「湿」は減ります。

つまりうなぎを食べると太るどころか逆に肥満解消の効果があるのです。

もちろん食べ過ぎないことが前提です。

薬膳の極意は「ちょうどよい」です。やり過ぎは逆効果になります。

ふつうに食べていればうなぎは優れた美容食ですし「万病のモト」を追い出す健康食でもあるのです。

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