諸葛孔明の料理伝説

食の発明家でもある諸葛孔明

諸葛孔明と言えば三国志を代表する軍師ですが食の世界にも貢献した大人物なのであります。

中国で「食と諸葛亮」と言えば饅頭なのですが饅頭の他にも諸葛孔明にゆかりのある料理はいくつもあります。

今回はその中から特に有名なものをいくつかご紹介しましょう。

なお中国では諸葛孔明というよりも諸葛亮と書かれることが多いので検索するときは諸葛亮と入力するとよいでしょう。

饅頭伝説

中国では一般的に饅頭は諸葛孔明が発明したということになっています。

発明のきっかけについての話にはいくつかのバージョンがあるのですが核心部分はどれも同じです。

当時の中国南方には水河神に捧げる生贄として人間(戦争捕虜)の首を河に投げ込む祭祀があったのですが、人間を生け贄にするのは残酷すぎると考えた諸葛孔明は小麦粉を練って家畜の肉をくるんだものを作り、それを人間の首の代わりに神に捧げたのです。

人間の首の代わりに作られたボール状の塊。これが饅頭の起源だと言われています。

実際に饅頭は長いあいだ神への捧げものとして使われていましたから古い儀式と何らかの関係がある食べ物であることは間違いないようです。

中華クレープ「煎餅」

小麦粉から作る食べ物としては煎餅[jiān bǐng]も諸葛孔明の発明品だと言われています。

煎餅はクレープにそっくりの食べ物です。正式な料理というよりも屋台で食べる軽食というイメージが強いです。手軽でおいしいので非常に人気があります。

煎餅は劉備軍が敵に包囲されて食料が不足していた時に諸葛孔明の発案で小麦粉の生地を鉄製の銅鑼の上で薄く延ばして焼いたのが始まりだと言われています。

日本ではクレープはフルーツや生クリームなどをくるむものというイメージが強いですが甜面醤とキュウリなどをくるんでも超絶美味です。

これは家庭でも簡単に作れますから一度お試しあれ。

大頭菜

大頭菜は別名「孔明菜」または「諸葛菜」とも呼ばれる湖北省・襄陽(じょうよう)の名物食材です。

大頭菜は加工食品の名前でもあるのですが根元が膨らんだ野菜の名前でもあります。

大頭菜と諸葛孔明の関係についてはいくつかの伝説があります。

ひとつは野菜の大頭菜を発見したのは諸葛孔明だという説です。

もうひとつは加工食品としての大頭菜を発明したのは諸葛孔明だという説です。

それは次のような話です。

まだ「三顧の礼」以前のことです。

諸葛孔明が(野菜の)大頭菜の細切り料理を作った直後に友人が訪ねて来たので料理には手を付けずに一緒に出掛けたそうです。

帰って来たのは数日後。

放置していた料理を見るとまだ傷んでいませんでした。少しだけ口にすると意外においしかったことから「この野菜は水分を抜くと美味くなる」と気付きます。

そこで(野菜の)大頭菜を少し乾燥させてから調味料につける加工法を考案しました。この加工によって元の重量の半分くらいになるまで水分が減るそうです。

生でも食べられますが細切りにして炒め物などに使うこともできます。

無数にある孔明料理

ここで紹介した食べ物以外にも諸葛孔明ゆかりの食べ物はたくさんあります。

薬膳的効果を狙った大蒜焼肉
劉備の婚姻を祝ったおめでたい料理龍鳳配
行軍用の食料に流用されたスイーツ金剛酥
四川を代表する香辛料をふんだんに使った香脆椒などなど。

三国志ファンのかたはコンプリートを目指してみてはいかがでしょうか?

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