薬膳の基礎知識:サーマルタイプ(性)とは

食べ物の基本的な性質

食べ物(漢方薬)を薬膳理論から分類する場合に、いちばんの基本はサーマルタイプです。

サーマルタイプは伝統的な用語では”性”と表現します。

これは食べ物が体を温めるか冷やすかという観点からの分類です。

サーマルタイプの種類

サーマルタイプには大きく分けると次の3種類があります。

1.体を温める
2.体を冷ます
3.温めも冷やしもしない

専門用語では上から順に温性、涼性、平性と言います。

専門書には熱性や寒性などの用語も出てきますが、体を温める作用が強いものを熱性、体を冷ます作用が強いものを寒性と呼ぶので、大きなククリとしては温めるか、冷ますか、どとらでもないかの3種類と考えればよいのです。

サーマルタイプの重要性

サーマルタイプは食べ物の最も基本的で重要な性質です。薬膳を作る場合には先ず初めに体の状態とサーマルタイプが適合しているかを判断ます。

体が冷えている人には温性または平性の食べ物が適していますし、逆に体が余計な熱を持っている場合には涼性または平性の食べ物が適しています。

体が冷えている → 温性または平性の食べ物
体が過度に熱い → 涼性または平性の食べ物

平性の食べ物は温めも冷やしもしないので無意味のように思われるかもしれませんが、薬膳には「今の状態を悪化させない」という視点が重要です。

ヒトを含めて全ての生き物には自らバランスを取ろうとする性質が備わっているので、悪化させなければ自ずと改善するものなのです。ですから「良くする」ことよりも「悪くしない」ように注意することが大切です。

平性の食べ物は体の寒熱の状態を変化させないので非常に無難な食材になります。平性の食材を用いることによって薬膳作りの幅はぐっと広がります。

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